今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
「彼氏はいません」
「今"は"って言ったよな。じゃあ、好きな人ならいるんだ?それで悩んでるのか」
ついこの間まで小学生だったくせに、私の言葉の一字一句を読み取ってる……。
このままだと先生とだってバレちゃう。
「あー、お腹空いた!お母さん、ただいまー!」
私は自然な流れを装い、強行突破で家の中へ入った。
保希はそのまま外へ行ってしまった。
廊下を過ぎてドアを開けると、リビングへたどり着く。
そこにはちょうど仕事から帰ってきたらしいスーツを着たお母さんが、腕時計を外していた。
「つむぎおかえり。お母さんも今帰ってきたところなの。ご飯はどうする?」
「昨日のカレーまだあったよね?私はそれでいいかな」
「じゃあ、お母さんもそうしよー」