気付いたらゴーストでした。
どうして売り物の花を切る必要があるのか気になって聞いてみると、花の鮮度を保つためだと彼女は言った。
花は生き物で、雑に扱うとすぐに鮮度が落ちてしまうので、茎を切りなおしたり、切り口に熱を加えたりして様々な水揚げ作業が必要となるらしい。
こっそりとだが、丁寧に教えてくれる彼女を見て、『へぇ』と呟いた。
ちなみに、このバイトの時間、花純さんとはほとんど目が合わない。
彼女にも一応の分別があるらしく、普通なら見えない幽霊の僕と、あまり目立った交流は好まなかった。
変人のくせに、と胸中でボヤいて僕は彼女を一心に見つめる。
幽霊というものはやはり不可思議なものだ。
物体、物質には触れないのに、視覚や聴覚はもちろん、嗅覚までもがなぜかそのままで。
色々な花の香りに包まれて心地よい気分に満たされる。
その空間で見る花純さんは、普段の倍以上に輝いていた。
くるりと巻いた髪を二つ結びにし、赤いエプロン姿で絶えず笑顔を振りまいている。
お客さんの要望に応えて花々を選び、綺麗にラッピングする姿に正直いって見惚れた。
花純さんは接客業が性に合っているのか、楽しそうだった。
花は生き物で、雑に扱うとすぐに鮮度が落ちてしまうので、茎を切りなおしたり、切り口に熱を加えたりして様々な水揚げ作業が必要となるらしい。
こっそりとだが、丁寧に教えてくれる彼女を見て、『へぇ』と呟いた。
ちなみに、このバイトの時間、花純さんとはほとんど目が合わない。
彼女にも一応の分別があるらしく、普通なら見えない幽霊の僕と、あまり目立った交流は好まなかった。
変人のくせに、と胸中でボヤいて僕は彼女を一心に見つめる。
幽霊というものはやはり不可思議なものだ。
物体、物質には触れないのに、視覚や聴覚はもちろん、嗅覚までもがなぜかそのままで。
色々な花の香りに包まれて心地よい気分に満たされる。
その空間で見る花純さんは、普段の倍以上に輝いていた。
くるりと巻いた髪を二つ結びにし、赤いエプロン姿で絶えず笑顔を振りまいている。
お客さんの要望に応えて花々を選び、綺麗にラッピングする姿に正直いって見惚れた。
花純さんは接客業が性に合っているのか、楽しそうだった。