気付いたらゴーストでした。
 僕は引き締まった彼女の体つきをチラッと見てから、自分のトレーに目を落とした。

 フィレオフィッシュのハンバーガーとオレンジジュースが目に映る。

 花純さんは「ふふっ」と笑ってからポテトを一つ摘まみ、僕の口へと運んだ。

 僕はされるがままに、口を開けポテトを咀嚼する。

「細いかどうかは……。今度蓮くんの目で確認したらいいじゃん?」

 ………え。

 花純さんは二本目のポテトをまた僕に食べさせて、妖しげに瞳を細めた。

 瞬間、顔の中心からカッと熱が生まれる。

 くそ……っ、やられた。

 これは誘惑ととっていいのか、単に僕を翻弄したいのかの判断がつかない。

 僕は赤くなった顔で俯き、「分かった」と返事をする。

 二つに一つの選択肢を前者で希望し、無駄に期待してしまう。

 僕は都合良く解釈し、彼女の裸を見れる権利を与えられたのだと認識した。

 ちなみに、恋人たちのスキンシップで言うならば、手を繋いだのは僕からで、なんとキスをしたのは彼女からだ。

 抱擁に関して言えば、先に抱きついた彼女を僕が抱きしめたので判定はどちらとも言えない。

 とは言え、彼女が大胆なのは確実だ。
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