気付いたらゴーストでした。
「あ、ねぇ、蓮くん見て? このブレスレット、ペアで付けるんだって」

 そう言って花純さんは揃いのアクセサリーを手にして目を輝かせる。

「そういうの好きそうだよね?」

「うんっ」

「じゃあどれが良いか選んで買おうよ」

「わぁーいっ」

 花純さんは可愛いらしい笑みを咲かせて、お揃いのブレスレットを真剣に選んでくれる。

 屈んで見ているので、時折肩が触れ、彼女からいい匂いがする。

「これは?」と僕の顔を覗き込んで聞き、実際に腕に着けてくれて始終ドキドキが止まらない。

 気のせいか、今日は彼女からのボディータッチが多いような気もする。

 商品が決まり、ピンクと青のブレスレットを僕が合わせて買うと、彼女は大分遠慮していた。

 が、僕としては男を見せるつもりで押し通した。

「んふふ、蓮くんありがとう。それじゃあお言葉に甘えるね?」

「うん」

「あ、ねぇ。早速だから着けちゃおうよ?」

 彼女は僕の肩に手を触れて、あっちのベンチに座ろう、と僕を促した。

 やっぱりそうだ。

 ボディータッチが多いのは気のせいなんかじゃない。
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