かまってちょうだい!
「紗季のご飯!嬉しい〜!!」

無邪気に陵は笑い、手を合わせてすぐにチャーハンを口に入れる。そして「おいしい!」と頬を緩ませた。喜んでくれたことに嬉しさを感じつつ、あたしはドラマを再生させる。

「ん?これって母さんも見てるやつ……」

「お医者さんと患者の恋愛ドラマ!主演の春希くんがかっこいいんだよね〜」

恋愛ドラマということもあって、ハグやキスをするシーンはたくさんある。そして甘い台詞もたくさん登場し、ドキドキしてしまっていた。

「春希くん、かっこいい……」

あたしがそう言うと、陵にグッと頬を包まれる。その顔は泣き出してしまいそうだった。

「僕はかっこよくないの?僕を見てよ……」

あたしの胸がギュッと音を立てる。こんな目で見つめられたら、俳優の甘い台詞だって耳に入ってこない。

「春希くんへの好きはlike。あ、あんたのは……Loveだから……」

顔を真っ赤にしながら小声で言う。しかし、陵にはきちんと聞こえていたみたいで「よかった」と笑っていた。
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