学園No.1アイドルと恋していいですか?
背中に感じる熱に、胸が鳴る。
(ちかいっ…!)
來斗くんの息使いまで聞こえるくらい、近い距離。
「結衣はオレと一緒に座ればいいだろ」
急に聞こえた声にビクッと動いてしまう。
「落ち着けよ」
來斗くんが私の手を握る。
(無理です…!!)
羞恥心がマックスになった私はバッと立ち上がる。
「無理です!!ごめんなさい!!」
真っ赤になってカーペットの端に逃げる。
「あ〜あ、振られちゃったね來斗くん」
「急に攻めすぎでしょ、アホ」
「ハハハ、結衣ちゃん拾ってきた子猫みたいになってるよ」
(あんな近くに來斗くんが居るなんて無理!死ぬ!!)
メンバーが談笑してるのも聞こえないぐらの位置で、プルプル震える。
「ハァ、ごめん結衣。怖かったよな
何もしないからこっち戻ってきてくれ」
來斗くんが言う。
「ごめんね、結衣ちゃん。
ちゃんと打ち合わせしよう。」
穂高くんの言葉に、我に返る。