箱の世界~愛が導いた奇跡~
喋ってたら、遅くなっちゃった。大丈夫かなぁ。
少し急ぎ足になりながらも宮槻くんのお家に無事着いた。
もう見ただけで分かるくらい立派なお家だった。
華鈴ちゃんとチャイムを鳴らすと宮槻くんが出てきた。
「ゴメンね。喋ってたら、遅くなっちゃって。」
「全然大丈夫だよ!佐藤さんもいらっしゃい!暑かったでしょ?上がって?」
遅れたかもしれないのに、何故か宮槻くんの機嫌はよかった。
案内された部屋に入ると、知らない子がいた。
「あぁ、迅と松森さんは初対面だよね。迅、松森さんだよ。今年の春に転校してきた。」
「知ってる。学年集会の時にみてたから。
俺は、西丘 迅クラスは2年4組。よろしく。」
「あっ、松森 瑚々です。」
「えっと、佐藤さんは、迅のこと知ってる?」
「知ってる!去年同クラだった!」
「じゃあ、皆お互いのこと知れたことだし、勉強始めますか。」
宮槻くんの一言で私たちは一斉に真剣モードになった。
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