箱の世界~愛が導いた奇跡~
香澄くんがお手洗いから戻ってきてから何か考えているようだったので、「大丈夫?」とだけ声をかけたら、激しく首を縦に振った。
そんなに振ったら、首痛くなっちゃうよ。
「あのさ、いい機会だし、連絡先交換しない?」
心配したのもつかの間、香澄くんが沈黙を破るように言った。
まだよく知らない人と連絡先を交換するのには、少し抵抗があるけど、仲良くなりたいし、隣の席だからいいかな。
「うん。いいよ!」
返事をしたのに、何回も、「え?ほんとに?」と聞いてくる香澄くん。
連絡先を交換するだけで、なんか楽しそう。
私たちはその後連絡先を交換して、1つずつ挨拶的なスタンプを送った。
学校のこととかその後もたくさんお話してる時、華鈴ちゃんたちの話し声が聞こえてきて、ハッとした。
今、香澄くんと2人っきりだったということに。
その時、香澄くんが「この話とかは、俺たちだけの秘密で」と耳に口を寄せて言ってきた。
秘密にするようなこと話してないけど、私は香澄くんと指切りをした。
その後も、みんなで勉強をして、過ごした。
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