箱の世界~愛が導いた奇跡~
虹中祭の日に、香澄くんの告白の返事もするつもり。
これ以上先延ばしにしたら、申し訳ないし。
「松森さーん!これ!次試着お願い!」
「はーい!」
「じゃあ、これ着れたら呼んでね!」
そう言われて袋を受け取り、試着室になっている部屋に入った。
みんな待ってるし、ササッと着ようと思い袋から出した。
でも、取り出した瞬間に私はこれでもかと言うくらい目を開いて絶句した。
だって、中に入ってたのは......。
いやいや、早く着替えちゃって早く脱ごう。
そう思い、ぱぱっと着替えて外にいる人の所へ向かった。
「......え?松森さんだよね?」
「は、はい。」
着方間違ってたかな。みんなこっちみてる。
「やばっ!めちゃくちゃ可愛い!」
え?
「ほんと?」
「うん!お姫様みたいだよ!あっ、香澄くーん!ちょっと着て!松森さん、めちゃくちゃ可愛いからあ!」
待って待って、香澄くんのことなんで呼んだの!
「......めちゃくちゃ、か、かわいい。」
うん。だよね。
でも、そこまで顔赤くするかな......。
「えっと、ありがとう。」
「でも、早く脱いだ方がいいよ。」
「え.......」
「その格好は、ほかの男子が松森さんを好きになっちゃう。」
そんなに顔赤らめて言われると、こっちも恥ずかしくなる。
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