箱の世界~愛が導いた奇跡~
プロローグ

人は誰でも自分の世界という箱を持っている。
どんなに仲が良くたって箱の中身を知ることは難しい。
でも、私の世界には私の箱を開いてくれる人すらいなくて、そうなりたくてなっていたわけではないのに私の箱はいつも暗い暗い闇の中にぽつんとあったんだ。
「楽しい」って感じてみたい。
いつも私は、そう願ってた。
でも、そう願うたびに私の箱は人が入ることのできる面積より小さくなっていって、ついには、私1人だけしか入っていられないくらいの小さくて暗い箱になっていた。
どんどん、ネガティブなことしか考えられなくなるような場所に1人にされて、「友達と楽しい生活を送る」小学校を卒業するときに決めた中学校での目標。
キラキラしていた目標も忘れてしまうくらい寂しかった。
私の箱に光を注いでくれるあなたに会うまでは。
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