先輩、届きますか?
入学してから早二週間。
通学路の桜ももうほとんどが散っている。
「鈴音おはよ!今日も早いね」
声をかけてきたのは隣の席の美里。
明るい雰囲気と綺麗な見た目で入学してから間もないにも関わらず何人かに告白されていた。
「で、みつかった?桜の王子」
桜の王子とは入学式の朝に見かけた綺麗な男の人のこと。
仲良くなった美里に話したら、勝手に桜の王子と名付けてしまった。
「ううん、まだ…」
鈴音は首を横に振る。
「ざんねーん。早く桜の王子みたいー!!」
鈴音はその人に会いたくて毎日早くに登校している。
でも…
(会えないんだよね…)
そっと窓から校門を眺める。
窓側の鈴音の席からは校門が見える。
それに気づいた美里も同じようにした。
「実際、こんなに人いたらわかんないね。ましてや上から出し。」
「うん」
鈴音は入学式の朝にみた光景を思い出すだけで、あの日感じた、息が止まるような思いも思い出すのだった。
通学路の桜ももうほとんどが散っている。
「鈴音おはよ!今日も早いね」
声をかけてきたのは隣の席の美里。
明るい雰囲気と綺麗な見た目で入学してから間もないにも関わらず何人かに告白されていた。
「で、みつかった?桜の王子」
桜の王子とは入学式の朝に見かけた綺麗な男の人のこと。
仲良くなった美里に話したら、勝手に桜の王子と名付けてしまった。
「ううん、まだ…」
鈴音は首を横に振る。
「ざんねーん。早く桜の王子みたいー!!」
鈴音はその人に会いたくて毎日早くに登校している。
でも…
(会えないんだよね…)
そっと窓から校門を眺める。
窓側の鈴音の席からは校門が見える。
それに気づいた美里も同じようにした。
「実際、こんなに人いたらわかんないね。ましてや上から出し。」
「うん」
鈴音は入学式の朝にみた光景を思い出すだけで、あの日感じた、息が止まるような思いも思い出すのだった。