浅草の喫茶店と探偵ミステリー~血に染まった赤いバラ~

だが喜ぶのは、つかの間だった。
 最後の1人は、恐怖をしながらも近くに居た女性客を
捕まえて人質にした。

「う、動くな!!もし少しでも動いたら
この女を殺すからな!?」

「キャアッ!!」

な、何て卑怯な……!!
 神崎さんも女性客を人質に取られたため
動きがピタッと止まった。

そのため、せっかくこちらが優先していたのに
 また犯人達の思う壺だ。どうしたら……。
犯人の1人は、ニヤリと笑うと自分のPCウォッチに話しかけた。

「赤薔薇会に連絡しろ」

『赤薔薇会に繋ぎます』

赤薔薇会だと!!
 すると本人にしか見えないように画面も音声も
自分だけ聞こえるように設定していた。
 どうやら赤薔薇会に連絡がついたようだった。

「頼む……助けてくれ。どうしたらいい?
早くしないと捕まってしまう……」

必死に赤薔薇会に助けを求める犯人。しかし
 声は、聞こなかったが、少し話した犯人の様子が
急におかしくなった。女性客を手離したが
フフッ……と笑いだした。

ど、どうしたんだ……?
 俺は、不思議に思っていると犯人は、
笑いながら拳銃を自分の頭に向けてきた。
 えっ?ま、まさか……。

「まずい……!!」

神崎さんは、慌てて止めようとする。だが遅かった。
 犯人は、笑いながら自分の拳銃で頭を撃ってしまった。
周りは、大きな悲鳴が聞こえてきた。
 そんな……まさか犯人が自ら自殺をするなんて!?

俺は、唖然としていた。すると神崎さんは、
 すぐに駆けつけて犯人のPCウォッチを外した。
そして確かめようとするが……。

「チッ……ロックがかかっているな」

 神崎さんは、舌打ちしていた。どうやら
ロックをかけていたらしい。これだと解除しない限り
中を見ることは出来ない。
 すると警察官達が店内に突撃してきた。
そして、この状況に驚いていた。

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