浅草の喫茶店と探偵ミステリー~血に染まった赤いバラ~
「お、落ち着いて下さい。
まだ次の指示が出ていないので待って下さい」
「これが落ち着いていられるか!?
孫が…ワシの可愛い孫のユミカが殺されるかも
知れないのだぞ?やはり探偵は、信用ならん。
警察も何故どうしようもない探偵を寄越すんだ?
犯罪を見す見す逃してばかりだし、どうしようもならん」
慌てて止めている俺らに酷いことを言ってきた。
はぁっ?何だよ……それは。
探偵を馬鹿にするのは、神崎さんを馬鹿にされたようで
我慢ならなかった。
「その犯罪に手を染めたのは、あなたのお孫さんですよね?」
「うっ…」
「確かに警察や探偵は、完璧ではない。
だけどあなたのお孫さんは、それが分かっていながら
人を陥れるために人1人殺したんですよ?
あなたのお孫さんも処罰の対象になるんです。
それを理解しているんですか?」
それを分かっているのだろうか?
思わず強い口調で反論してしまった。
「だがアレは……ユミカは、そそのかされただけで」
「例え悪い組織にそそのかされたとしても
犯罪をした事には、変わりませんよ!」
俺は、キッパリと否定をした。
孫娘を可愛がる気持ちは、理解は出来るが
甘やかす事とは違う。犯罪は、犯罪。
間違いを犯す前に家族が止めるべきだった。
「犯罪を犯したとしても今は、被害者なのも事実。
お孫さんは、俺達が必ず取り戻しますから
信用をして下さい」
神崎さんは、付け加えるようにそう言った。
その言葉に俺も胸が苦しくなった。そう……。
助けてユミカさんには、罪を償ってもらいたい。
家族のためにも…。
そして次の日。また電話が鳴り二階堂ユミカの母親が
お金の入ったカバンを持って行くことになった。
指示を出された隅田公園に向かう。
隅田公園は、浅草側にある公園なのだが
花見の名所となっている。隅田川沿いにあり
夏には、花火大会もあるので有名だ。
コーヒー ショップや遊び場があり年配の方や子供など
散歩やジョギングコースとしても人が多い。