浅草の喫茶店と探偵ミステリー~血に染まった赤いバラ~
「立花。外に居ろって言っただろ!?」
「すみません。どうしても気になって……あ、神崎さん!!」
俺と話している間にも二階堂ユミカは、狂ったように
神崎さんを攻撃しようとしてきた。
金属パイプを思いっきり上から振り下ろしてきた。
危ない!!そう思ったが危機一髪避けてくれた。
しかしホッとする間もなく神崎さんに向かっていく。
拳銃を持っているが、一般人の二階堂ユミカに
撃つ訳にはいかない。
万が一当たってしまったら大問題になりかねない。
何とかしないと……。
俺は、必死に頭をねじり考える。そ、そうだ!
それでいいか分からないけど、一か八かだ。
俺は、無我夢中で叫んだ。
「ユミカ“アロマ”だ!眠れ」と……。
すると二階堂ユミカは、ピタッと動きが止まると
そのまま倒れてしまった。あ、当たった……。
俺は、驚きとホッとして座り込んでしまった。
緊張で変な汗がでてしまった。
そうしたら赤羽は、アハハッと笑うと大きな拍手をする。
「アハハッ……よく気づいたね?
そう……華の雫は、キーワードを言えば誰でも止められる。
別に僕の声だけが反応する訳ではない。
神崎君は、どうやら俺だけだと思い考えなかったかな?
なかなかの優秀な相棒だね」
褒められても嬉しくないと思っていると赤羽は、
余裕な表情で笑っていた。
まるで、まだ何かを企んでいるかのように。
「しかし残念なことにそこまでだ。
僕がそこまで考えてなかったと思う?全部想定内だ。
君達は、ここで死んでもらう。
何処かに隠してある時限爆弾と一緒にね」
えぇっ……!?時限爆弾だって!!
俺と神崎さんは、その言葉を聞いて驚く。
まさか赤羽は、全部計算をした上で二階堂ユミカ共々
ここで殺す気だったなんて……。
「赤羽……貴様!?」
『残念だったね。神崎君。君は、ここで死ぬんだ。
もし生きて来られたらまた会おう。
赤薔薇会に栄光あれ。フフッ……バイバイ』
赤羽は、クスクスと笑いながら画面を消した。
静まり返る倉庫の中。しかしすぐにハッとする。
とにかく逃げなくては!!
「神崎さん。とにかく二階堂ユミカを連れて逃げましょう」
「あぁ……そうだな」