浅草の喫茶店と探偵ミステリー~血に染まった赤いバラ~
「赤と白ってそんな……」
「このどちらかを切れば時限爆弾が止まる。
しかし間違えるとそのまま爆発するだろうな。
どうする……どちらを切る?」
どちらかって……どっちを!?
そんな重要な選択肢を言われても決められない。
赤……?いやいや白かもしれない。
悩めば悩むほど分からなくなっていく。うーん。
すると神崎さんは、ため息を吐くと諦めたかのように
足を崩し座り込んでしまった。神崎さん……?
「立花。お前が切れ。もし間違えても
俺は、一切お前を恨んだりはしない」
「ですが……」
「……恨める訳がないんだ。こうなったのも
俺が全て原因なんだし……」
随分と弱気になっていく神崎さん。
どうしちゃったんだよ?神崎さんらしくない。
俺は、その態度に困惑する。
いつも冷静沈着で先の先まで考える人だ。
何よりもこういう時こそ張り切って指導してくれそうなのに……。
「諦めないで下さい。俺達はまだ助かるチャンスはあります!
どちらかを切ればいいんですからお互いに
意見を出し合って決めたらいいんですよ!
だって俺達もバディなんだし」
「……バディ?」
その言葉にハッとする神崎さんだった。
そうだよ……俺達は、大切なバディなんだ。
伊波さんみたいには、いかなくても俺には、俺の
やり方で決めるしかない。
「俺が切りますから神崎さんが決めて下さい。
頭の切れるあなたなら何かヒントを見つけられるかもしれない」
こういう場合考えるのは、神崎さんに限る。
馬鹿な俺よりも推理が得意な神崎さんの方が向いているから……。
俺の言葉に驚きつつも一緒に考えようとしてくれた。
残り時間……2分切った。
「立花。赤を……残せ」