浅草の喫茶店と探偵ミステリー~血に染まった赤いバラ~
「まずは、その平山巧の居場所を早く見つけないと」
近くから犯行を及んだとしても次のターゲットを
狙っているかもしれない。
なんせ四神会は、残り3人も居る。
1人で終わらすのならいいが、日本を混乱や
侵略を狙っているのなら、また狙う可能性が高いはずだ!
俺は、慌ててPCウォッチからリカコさんにメールを送った。
前の時に番号などを交換していた。
平山巧の個人情報と居場所を突き止めてほしいと。
真相も伝えておいたが。後は、返事を待つだけ……。
「ねぇ、さっきから不思議に思っていたんだけど
何故この場に神崎さんが現れないんだろうね?」
「えっ……?」
するとその時だった。
黒いリムジンが、こちらに向かって突っ込んできた。
そして俺のところで停まると黒いスーツ姿と
黒い眼鏡をかけた大柄な男が数人降りてきた。えぇっ!?
その男達は、俺を捕まえると強引に
車の中に引き込もうとしてきた。
「ちょっ……やめろ!!い、伊波君!!」
必死に抵抗しながら伊波君を見る。すると伊波君は、
クスッと不敵な笑みを溢していた。えっ……?
大柄な男達に勝てる訳でもなく俺は、そのまま
黒いリムジンに詰め込まれてしまった。
それからどうなったか分からない。
変な注射を打たれたかと思ったら意識が朦朧となり
気づいたら微かに海の音が聞こえきた。
ここは……何処だ?車の中か?
うっ……身体が痺れて上手く動かせない。
ぼんやりとした意識の中で周りを見てみようとする。
するとクスクスと笑い声が聞こえてきた。
「目が覚めたかい?立花君」
この声は……!?
顔を上げて見てみると驚いてしまった。何で伊波君が!?
彼は、前の座席に座りながら足を組み
不敵な笑みで笑っていた。
「もう少し楽しませてくれると思ったんだけど
ちょっとヒントを出し過ぎたかな?
君は、馬鹿かと思ったが意外と頭が切れるみたいだね」
そう言っていたが……彼は、一体誰だ?
俺の知っている伊波君ではない。これだとまるで……。