世界が終わるとき、そこに愛はありますか
それなのにあたしには新しい服をよく買ってくれた。


〝小学生なんだもん。おしゃれしたいでしょ?〟


〝お化粧もしたいんならいつでも言ってね?教えてあげるから〟


〝遠慮しなくていーのっ。私は雪花の笑顔が見れるだけで幸せだから〟


〝雪花っ、お誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとね。今まで頑張って生きててくれてありがとう。これからは私がずっと守ってあげるから〟


〝雪花の手料理ホント美味しい。いつもありがとう〟


〝雪花が大人になって彼氏できても、クリスマスは毎年私と過ごしてほしいなぁ…なんて思うんだよね〟


お姉ちゃんがくれたたくさんの言葉が1度に蘇り、締めつけられるように胸が苦しい。


あたしは…お姉ちゃんに何も返してあげられなかった。


ずっとお姉ちゃんに甘えっぱなしで、ありがとうの言葉もなかなか言えなかった。


最後の会話がなんだったのかも思い出せない。


当たり前だった日々はこんなにも突然に、こんなにも残酷に、崩れ去っていくんだ─。
< 10 / 490 >

この作品をシェア

pagetop