世界が終わるとき、そこに愛はありますか
Chapter 1

虐待

「─嫌な夢」


授業中に寝ていたバチが当たったのか、思い出したくない過去の夢だった。


寝ている間に授業は終わったのか、昼休みになっていた。
 

「爆睡しすぎ」


隣の席の河下愛結(かわしたあゆ)がメイクを直しながら呟く。


ギャルっぽいメイクをしなければ清純そうなかわいらしい顔立ちをしているこの愛結と、愛結の前の席で熟睡しているヤンキー神崎奈津(かんざきなつ)は小学生のときからの友達だ。


あたし、愛結、奈津の3人は性格は違えど昔から仲が良かった。


気が強すぎて敵が多い愛結、自由奔放な奈津、あの忌まわしい日から完全な根暗になってしまったあたし。


端から見れば噛み合わなそうな組み合わせだろうけど、あたしにとっては居心地がいい。
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