世界が終わるとき、そこに愛はありますか

─♪♪


その日の真夜中、午前3時半頃、滅多に鳴らない着信音で目が覚めた。


深景さんはまだ帰ってきていない。


暗闇の中でスマホを探し当て、発信相手を確認すると涼だった。


「もしもし」


涼と電話するのは初めてだ。


『もしもし雪花ちゃん?深景がかなり酔ってフラフラだからマンションまで送り届けに来たんだけど、よりによってコイツ鍵持ってなくて、オートロック開けらんねぇの。開けてくんない?何号室かもわかんないし』


そう説明する涼の後ろで荒い息づかいが聞こえる。


「わかった…ちょっと待って」


ただでさえ叩き起こされて機嫌が悪いのに、ロック解除するためにベッドから出なきゃいけない。


めんどくさい。


きっとやけ酒だろう。


勘弁してほしい。


「部屋の鍵も開けとくから勝手に入っていいよ。おやすみ」
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