世界が終わるとき、そこに愛はありますか
ものすごくイライラする。


もともと寝起きが悪いのもあるだろうけど、唯さんのことでいっぱいいっぱいになってる深景さんを見るとイライラする。


あたしが作ったチーズスフレだって2~3口しか食べずに残してしまった。


帰ってきてから食べるからって言うくせに、こんな時間に酔っ払って帰ってくる。


深景さんが唯さんしか見ていないということが嫌というほど分かってイライラする。


そんなイライラに苛まれながら眠れるはずもなく、涼たちが家に入ってくる音が聞こえてきた。


「着いた着いた」


寝室の扉が開き、涼の肩に腕を回し全体重を預けている深景さんが入ってきた。


ネクタイを緩め、シャツの第2ボタンまで開け、その顔は真っ赤。


そのまま倒れ込むようにベッドに寝転がる。
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