世界が終わるとき、そこに愛はありますか
モヤッとした心地悪さと眠気が襲い来る。


涼はあぁ言ってたけど、眠いものは仕方ない。


深景さんの横に潜り込み、彼に完全に背を向ける形で目を閉じる。


…それが、間違いだった。


「唯…」


深景さんの長い腕があたしの身体に巻きついた。


そのまま抱き寄せられ、覆い被さるようなキスをされる。


「深景さん…っ」


あたしは唯さんじゃない…っ。


唯さんだと思って抱くなら抱かないで…っ。


「やめて…!!ねぇ深景さん!!」


昨夜よりも荒々しくあたしの服に手をかけてくる。


「唯…っ」


違う、あたしは唯さんじゃない。


唯さんじゃないのに…っ。


「やめてって言ってるでしょ!?離して!!」
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