世界が終わるとき、そこに愛はありますか
叔母の目を気にすることなくメイクできるようになったのも、毎日が楽しい理由の1つだ。


「そっかそっか。昔の雪花に戻ったみたいで何か泣けてきちゃうな」


と、奈津がわざとらしく目頭を押さえる。


「大袈裟ってつっこみたいところだけど、あたしも嬉しくて泣けてきちゃうわ」


冗談のようにも聞こえるけど、きっと二人はずっと心配してくれていたに違いない。


中学生の時も、高校に入ってからも、ことあるごとにあたしに声をかけ続けてくれていた。


今まで気がつかなかっただけで、あたしは愛結や奈津の優しさにずっと触れていたんだ。


生活が楽になり、心に余裕ができると、そんなことまで考えられるようになった。


ちょっとずつあたしも〝普通の人〟に近づきたいな…。
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