世界が終わるとき、そこに愛はありますか
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「三名様ですね」
初めてのカラオケ店の匂いは、タバコの匂いが充満していて、騒がしかった。
イメージしていたよりも汚くて、店内でもヤンキーをよく見かける。
「あれっ、雪花ちゃん?」
背後から聞き覚えのある声に名前を呼ばれ振り返ると、涼が二人の友達らしき男性と来店してきたところだった。
「え、雪花の知り合い?超カッコイイじゃん」
小声で愛結が囁く。
その目は完全に彼ら3人を狙ってるものだった。
「もしよかったら俺らと一緒にカラオケしない?金はこっちで出すからさ」
涼がそう言うと、愛結と奈津は待ってましたと言わんばかりに目を輝かせ、しきりに頷きはじめる。
…まぁ、愛結たちがそうしたいならそうすればいいか。
「じゃあ…そうしよっか。ありがとね、カラオケ代」
「いいよいいよ、大した額じゃないんだから」