世界が終わるとき、そこに愛はありますか
すべてが不快だった。


けれど、1番不快なのは抵抗できないあたし自身だ。


毎日のように虐げられてもろくに抵抗できない。


今日みたいに叔母の機嫌が悪いときは命の危険に晒されるのに、抵抗できない。


吐瀉物にまみれるなんて屈辱以外のなんでもないのに、抵抗できない。


抵抗するのが怖い。


虐待は生まれてからずっと受けてるから。


ちょっとしたことなら慣れたのかもしれない。


姉があたしを連れて家を出てくれるまでの間、あたしはずっと母親から虐待を受けていた。


お姉ちゃんが家にいるときは守ってくれたけど、お姉ちゃんはバイトで家計を支えていたぶん、家にいる時間はほとんどなかった。


だからあたしはずっとずっと耐えていた。
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