世界が終わるとき、そこに愛はありますか
気味が悪い。


あの冷徹な瞳や眼差しも、上から目線な話し方も。


「ね、雪花ちゃん。今度うちに遊びに来てよ。ずっと招待したかったの。ダメ?」


それに対して、緊迫した状況を知らない唯さんは無邪気だ。


「考えときます。また連絡するので、今日はこれで失礼します」


よそよそしくなりすぎたかもしれないけど、今はこの場から撤退するのが先決だ。


「えっ、もう帰っちゃうの?ほとんど食べてないじゃん」


結局あたしは一口もハンバーガーを食べてない。


店の人には申し訳ないけど、理性を保つことで精一杯なんだ。


…もしかしたらこの男がお姉ちゃんを殺したかもしれない。


そう思うと今すぐにでもナイフで斬りかかってしまいそうで、自分が怖かった。


「それじゃあ、また連絡します。行こう、涼」
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