世界が終わるとき、そこに愛はありますか
後押し
深景さんのマンションの前に車が停まった。
「念のため、部屋まで送ってく」
さっきのキス以降、お互い何も喋らなかった。
重苦しく長い移動を終え、車から降りたのに、心はまったく晴れなかった。
星一つない真っ暗な夜空にすべてを吸い込まれてしまったよう。
ロビーにも、エレベーターホールにも、人はいなかった。
─チンッ
軽い音の後、重々しくエレベーターの扉が開く。
そして扉は閉まり、密室になる。
気まずい。
今、涼は何を考えているんだろう。
ただただ1つの狭い箱が上っていくのをジッと待つだけ。
─チンッ
また軽いベルの音が鳴る。
エレベーターを降り、長い廊下を歩く。
ホテルのマットレスのような廊下に足音が吸収され、一切音のない世界に包まれている。
「念のため、部屋まで送ってく」
さっきのキス以降、お互い何も喋らなかった。
重苦しく長い移動を終え、車から降りたのに、心はまったく晴れなかった。
星一つない真っ暗な夜空にすべてを吸い込まれてしまったよう。
ロビーにも、エレベーターホールにも、人はいなかった。
─チンッ
軽い音の後、重々しくエレベーターの扉が開く。
そして扉は閉まり、密室になる。
気まずい。
今、涼は何を考えているんだろう。
ただただ1つの狭い箱が上っていくのをジッと待つだけ。
─チンッ
また軽いベルの音が鳴る。
エレベーターを降り、長い廊下を歩く。
ホテルのマットレスのような廊下に足音が吸収され、一切音のない世界に包まれている。