世界が終わるとき、そこに愛はありますか
あたし、何やってんだろ。


拒むべきだったキスを受け入れ、必死に弁明するだけでも情けないのに墓穴掘って。


キスが嫌だったわけじゃない、なんて説明は逃げだ。


涼でいいや、涼なら簡単に手に入るから。


そんな汚い思惑の表れだ。


「雪花ちゃん。俺のことは好きに利用してくれたらいいからね。俺のことは気にする必要ない。深景のことを想うのが苦しくなったら俺に逃げればいい」


なんで…。


なんでこの人はこんなに優しいんだろう。


「…そんなの涼に失礼だよ。だからそんなことはしたくない…」


「そっか。まぁ今は大丈夫でも、いずれツラくなったときに頼って。それだけで俺は満足だから。それじゃ、帰るね」


「あっちょっ…」


あたしの返事を待たないまま、涼は早足に来た道を引き返していってしまった。


こんなあたしに、優しい言葉を残して。
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