世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「…何?言いたいことがあるなら言えよ」


あたしの視線に気づいたのか、チラッとこっちを見て言う。


その時に見えたスマホ画面は、マナミという女とやり取りしているメッセージだった。


「……お風呂入ってくる」


マナミさんのことが気になったけど、あたしに聞く権利はない。


「…じゃなくて。他に言いたいことがあるんだろ?これからもずっと一緒に住むんだから、お前が俺に遠慮するような関係にはなりたくない」


スマホをテーブルに伏せ、じっとあたしを見つめる。


冷たいのかと思えば、こうやって真っ直ぐな一面も持っている。


そんな深景さんのことがやっぱり…。


…好きなんだ。


好きだから、気になる。


深景さんがどんな女性を抱いたのか。


マナミさんとはどんな関係なのか。
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