世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「…まぁ、言いづらいんなら言わなくてもいいけど」


深景さんのプライベートに踏み込むことを躊躇している間に、彼はまたスマホをいじり出す。


聞くなら今しかない。


「……セフレ、何人いるの?」


「はっ?」


深景さんからしたら予想外の質問だっただろう。


目を丸くしてスマホから目を離す。


「そんなことが聞きたかったわけ?」


「…いつもと香水の匂いが違ったから気になって」


キモイ女だと思われるかもしれない。


ただ、聞いてしまったものはどうしようもない。


「セフレの数ねぇ…。まぁ、頻繁にヤんのはお前を入れて3、4人ぐらいかなー」


〝お前を入れて〟


当然のように吐き出されるその言葉が、深く胸へ突き刺さる。


「んなこと知ってどーすんの?」


「別に。聞いただけ」


特に誤魔化すわけでもなく、淡々と事実を語る深景さんの姿にキュッと胸が痛む。
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