世界が終わるとき、そこに愛はありますか
『ホントにあれはしょーがなかったんだって。だから怒んないでよ』


「俺は言い訳しろって言ったんじゃない。なんで出くわしたのかを説明しろって言ってんだよ」


短くなったタバコが灰皿で押し潰される。


深景さんの刺々しいオーラがヒリヒリと肌に染みる。


『知らねーよ。ハンバーガー屋で夕飯食ってたらアイツらが入ってきた。ただそれだけ』


「…アイツ一人でハンバーガー屋に?」


『いーや。唯ちゃんと一緒だった。なんであの二人があんな安っぽいところでデートしてんだか』


涼の声にもトゲがあるように感じた。


「で?向こうはお前らに気づいたのか?」


『唯ちゃんが雪花ちゃんに気づいたんだよね。んで、浅香もこっちに気づいたって感じ』
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