世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「思い当たることがある顔じゃん。だったら自信もって大丈夫だよ。今はたしかに唯さんを想ってるのかもしれないけど、振り向いてもらえるチャンスはあるよ」


…だったらいいんだけど…。


あんな喧嘩見せられちゃったら、想いを覆せるとは到底思えない。


唯さんが家に来たあの日の深景さんは、あたしが知ってる深景さんじゃなかった。


本当に本当に、唯さんのことが好きなんだなって痛いくらい伝わってきた。


「…もー、なんでそう暗い表情になっちゃうかなぁ。もっと前向きに次のアプローチ考えようよ」


「そうだよ。どういう女性が好みとか、そういうの知らないの?」


好みの女性かぁ…。


十中八九、唯さんみたいな人だろうな。


綺麗で、笑顔が可愛くて、優しくて気品のある女性。
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