世界が終わるとき、そこに愛はありますか

深景さんのあの雰囲気からして、気持ちが変わるとは到底思えない。

　
「結構頑固だからね。あの男は。別れるのだって苦労したんだから」


唯さんは、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。


「…あの、唯さんと深景さんはなんで別れたんですか？」


聞いていいのか分からないけど、この機会を逃すと本当に聞けなくなりそうだ。


これだけは絶対に聞いておきたい。


「……知らない方がいいと思うよ。雪花ちゃんのためにも」


唯さんはそう言ってあたしから目を反らした。


「…深景さんのことをもっとたくさん知りたいんです」


「……そっか。話したことによって雪花ちゃんが傷ついても、責任とれないよ？いい？」


力強く頷くと、唯さんは重い口を開いてくれた。