世界が終わるとき、そこに愛はありますか
淡々と言葉を並べていく唯さんと視線がぶつかり合うことはなかった。


深景さんにそんな過去があったんだ…。


「笑っちゃうくらいクソみたいな男でしょ?深景に幻想を抱いてる雪花ちゃんに話すと傷つけちゃうと思って言いづらかったんだけど、やっぱりショックだよね…?ごめんね」


眉を八の字にして謝る唯さんに人柄の良さを感じる。


「あたしの方こそごめんなさい。話したくないことをズケズケ聞いちゃって」


あの日、唯さんが本気で深景さんを嫌っていた理由が分かった。


でも…深景さんはホントにそんな人なのかな……。


何か事情があったとしか思えない。


あんなに唯さんのことが大好きな人が、浮気したり手をあげたりするかな…。
< 208 / 490 >

この作品をシェア

pagetop