世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「普段撮りたがらないのに、なんで?」


「んなの俺の勝手だろ?」


自撮りの構えをした浅香さんは、強引にあたしの肩を抱き、唯さんを画角に入れ、素早くシャッターを押した。


一瞬の出来事で、何もできなかった。


まんまと写真に映ってしまった。


しかも、浅香さんに肩を抱かれた状態で。


「…どうしよう……」


このままじゃあたし…っ。


「写真、消してください…っ」


写真という確かな証拠があったら、深景さんはあたしを見放すだろう。


それだけは嫌だ…っ。


「そうだよ。消しなよ。雪花ちゃんが嫌がってるじゃん」


「唯は深景サイドなんだ?」


クールで冷徹な眼差しであたしたちを見つめる。


その視線を浴びるだけで体が動かなくなる。


まるでナイフ。


「雪花ちゃんと深景は関係ないでしょ。私はただ、雪花ちゃんの友達だから言ってるだけだよ」


唯さんは慣れた様子で浅香さんに立ち向かう。
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