世界が終わるとき、そこに愛はありますか
…あたしが受け入れたって、そのあと約束通り写真を消してもらえるとは限らない。


この人は信用しちゃダメな人だ。


「五十嵐には山のようにオンナがいる。お前みたいなお荷物は簡単に捨てられる。それでいいのか?今回のことがバレたら終わりだ。けど、俺に従えばまぁバレることはない。味方につけるべき人間を見誤るな」


悔しいけどそれは事実だ。


…今日のことがバレたら間違いなく深景さんはあたしに失望する。


そうなったら家を追い出されるかもしれない。


そしたらまたあの生活が始まる。 


深景さんという救世主に見捨てられ、地獄のような生活が待っている。


だったら。


だったら…一瞬の屈辱を我慢して、この先一生続くかもしれない苦痛の芽を摘む方が賢いんじゃないか。
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