世界が終わるとき、そこに愛はありますか
─パシャッ


シャッター音がやけに響いた。


「まっ、こんなもんだろ」


浅香さんが見せてきた写真は、まるであたしと浅香さんが行為中に撮った写真のようだった。


下は服を着ているのに、掛け布団で隠れているからそう見えるんだろう。


「消して。約束したよね」


「はいはい」


めんどくさそうに返事をしながら、浅香さんはスマホを操作して2枚とも写真を消してくれた。


さらに、ゴミ箱フォルダーに移動して、完全に消去。


これで写真は残ってない。


一体何がしたかったのかわからない。


ただ、あたしに屈辱は残ったけど、写真は完全に消えたことに、すごく安心していたんだ。


このバカなあたしは─。
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