世界が終わるとき、そこに愛はありますか
ただ…深景さんに嫌われたくない一心であんなことをした。


考えてやった結果なんだ。


でも、そんなことは言えない。


もう何を言ってもダメだ。


結局、深景さんには嫌われちゃった。


バカだあたし。


なんてバカなんだろう…っ。


「…どうせ莉愛のことを探ってたんだろ」


ため息混じりの呆れた声。


怒鳴られるより、睨み付けられるより、これが1番堪える。


「俺、約束したよな。莉愛のことは探るなって。俺はお前を守るためにそう言った」


静かに、鋭く言葉を紡いでいく。


それを聞いていると、止まったはずの涙がまた込み上げてくる。


「お前がしたことは裏切りだ。それだけは忘れるな」


吐き捨てるように正論を残して深景さんはリビングから出ていってしまった。
< 228 / 490 >

この作品をシェア

pagetop