世界が終わるとき、そこに愛はありますか
だだっ広い空間に1人取り残された瞬間、堪えていた涙が滝のように流れて落ちてくる。


「っうぅ…っ」


全部あたしが悪い。


あたしがバカだったから。


深景さんとの約束を破ったから。


彼の厚意を突っぱねる行動をとったから。


深景さんが怒るのは当たり前だ。


情けない…っ。


あたし、何やってんだろ…っ。


「ぅあ…っぅぅ」


─♪♪


こんなときに誰…。


けたたましく鳴るスマホを見ると【涼】の一文字。


「…も…もしもし…っ」


泣き止め自分。


涼に心配かけちゃいけない。


そう思えば思うほど涙が止まらない。


『雪花ちゃん、大丈夫?』


苦しい。


苦しいよ…っっ。


「りょお…っ」


『すぐ行くから。だから待ってて。大丈夫だよ。大丈夫だから』


ダメだ。


涼に甘えちゃダメなのに…っ。


「深景さん家にいる…っ」


情けない人間だあたし。
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