世界が終わるとき、そこに愛はありますか
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「…雪花ちゃん……」
玄関で出迎えたあたしの悲惨な顔を見て、言葉を失う涼。
結局、涼が来るまでの20分間、泣き止むことはできなかった。
「とりあえず落ち着こっか。ゆっくりでいいからさ」
涼はあたしを支えながらリビングに向かい、そっとソファに座らせてくれた。
〝何でソファに座んだよ。床だろお前は〟
冷たいその言葉が蘇る。
「てか、今日の髪型可愛いね」
気を紛らわすために言ってくれたんだろうけど、かえってあたしの胸を締め付ける。
その言葉を本当に言ってほしい人には言ってもらえなくて、いつも違う人が気づいてしまう。
「…涼…、あたしね…っ」
だめだ。
話せない。
どんなに頑張って泣き止もうとしても、涙が止まらない。