世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「…そっか。まぁそう言われると思ってた」


涼だって傷ついたはずなのに、ポンポンと優しく肩を叩いてくれた。


「…ごめんね、涼」


「……謝んな。悲しくなってくるから。…ちょっとトイレ借りる」


涼は早口にそう言ってリビングから出ていった。


また1人になったけど、もう大丈夫。


今は涼がいる。


1人になるとまた自分を責めて病んでしまいそうで怖い。


深景さんのあの冷たさを思い出してしまいそうで怖い。


「…ハンバーグ……」


深景さんが好きだって聞いた。


作って帰りを待とうかな…。


鬱陶しがられるか…。


もう、あたしたちの関係は終わったのかな…。


もう修復できないのかな…。


〝お前がしたことは裏切りだ。それだけは忘れるな〟


〝許すつもりはない〟


鋭い刃がずっとずっと脳裏に響いているんだ。


消えることなく、ずっと…。
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