世界が終わるとき、そこに愛はありますか
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「っざけんな!!」
─ドンッ
誰かの怒鳴り声と、何かがぶつかる低い音。
「……ん…?」
あぁ…あたし、あのあとソファでそのまま寝ちゃったんだ…。
さっきのは夢…?
「何で雪花ちゃんを傷つけんだよ!!ふざけんじゃねぇよ!!!」
涼…?
寝返りを打ち、怒鳴り声のする方を薄目で見てみると、涼が深景さんの胸ぐらを掴んで壁に押し付けているところだった。
その近くの時計は午前3時を指している。
「悪いのはアイツだろ。ノコノコ浅香ん家に上がり込みやがって」
吐き捨てるように深景さんは言った。
「雪花ちゃんは、唯ちゃんに呼ばれてあの家に行ったって説明してんだろ!?しかも浅香に会ったのは偶然だって!なのに何でそんなに責めんだよ!!あいつの気持ち考えろよ…っ」
「アイツの気持ち?悪いけど、すぐに人を裏切るヤツの気持ちを考えてやるほど俺は甘くねぇんだよ」