世界が終わるとき、そこに愛はありますか
ぐうの音も出ない正論。


あたしが涼だったら歯が立たないだろうけど、涼は違った。


「唯ちゃんがしつこく強引に誘ったから渋々行くことにしたんだろ」


「それでも断るのが普通だ」


「それはお前の自己中心的な考えだ。雪花ちゃんの立場に立って考えろよ。8個上の大人から誘われ続けて、あの子が断り切れると思うか?」


「〝8個上の大人から誘われて断れなかったので浅香と出くわしてしまいました。青龍会に大迷惑をかけたけど、断りきれなかっただけなのでゆるしてください〟お前が言ってんのはこういうことか?」


「大迷惑なんかかけてねぇだろ。誇張すんな」


「将来的に大迷惑をかける可能性は山ほどある。それともそんな可能性はないから安心しろっつーのか?お気楽能天気な野郎だなお前も」


お前“も”という一単語が胸をえぐる。


その“も”に含まれてるのは間違いなくあたし。


ホントに嫌われちゃったんだな…あたし。
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