世界が終わるとき、そこに愛はありますか
寝室のドアが閉まった。


また、静寂に包まれる。


〝それと……暴言を吐いたことは悪かったと思ってる。ごめん〟


聞き間違い…じゃないよね…?


「涼…今、深景さん……」


不安になって涼を見上げると、涼はにっこりと微笑んでくれた。


「あんなにブチギレてた深景が謝ったってことは、泣かせちゃったことに関しては反省してるんだよ。きっと」


涼と話してる時の深景さんはずっと怖かった。


完全にあたしが悪いと彼も思ってるはずなのに、謝ってくれた。


…最後のチャンスをくれたってことかな…。


「…あいつにとってさ、青龍会は何よりも大切なものなんだよ。

だから、その青龍会を守るのに必死でさ。

このままじゃ青龍会は炫聖会に負ける。 

そんな危機感を持ってるから、厳しいんだ。

仕事のことになったらあんな最低な男だけど、根は優しいヤツだって知ってる。

誰よりも組員のことを考えてるし、その家族の生活だって守ろうとしてる。

青龍会を守りたい思いが強すぎて、今回みたいに暴走したり必要以上のことをしたりすることもある。

いつもは俺やザキがストッパーになってたけど、今回は俺らでも押さえきれなかった。

そんな危なっかしいヤツだけど、あいつのこと、見捨てずに付き合ってやって?

家に帰ったら待っててくれてる人がいる今の環境って、きっとあいつにとっても幸せなことだろうからさ」
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