世界が終わるとき、そこに愛はありますか

「…あの涼があんなにキレるなんてな。おかげで冷静なれた。あいつにありがとうって言っといて」


「自分で言いなよ」


あたしからはもう伝えてある。


照れくさいんだろうけど、そういうのは自分で言った方がいい。


「…浅香が絡むと冷静さを失いがちなのは自覚があるんだ。しかも、今回はお前が絡んでた。お前がアイツに近づくのだけはどうしても許せなくて、あぁなった。ホントに悪かった」


深景さんは、改めて頭を下げてくれた。


悪いのはあたしなのにな…。


「元はといえばあたしのせいだもん。深景さんは何も謝る必要ないよ…」


「お前、素直な人間なんだな」


素直…。


誉め言葉…だよね？


「あんなに理不尽にキレられたら、普通、俺のこと嫌いになるだろ」


「ならないよ。深景さんの言ってたことは正論だもん」


それに…何があってもあたしは彼のことが好きだ。


その気持ちは変わらない。


変えられない。