世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「まず、莉愛が姿を消したのは5年前のクリスマス。

それは多くの関係者も知っていたし、お前も知ってるはずだ。

そして莉愛が最後に目撃されたのも同日だ。

場所は△△区の路上。

ピンクのドレスで髪色は金の女が何かから逃げてる様子を見た人間がいた」


金髪…。


間違いなくお姉ちゃんだ…。


「その人間を問いただすと、その女…おそらく莉愛…は港付近の倉庫街の方へ走っていったそうだ。

その目撃者は、情報を吐くことを頑なに拒んでいた。

結局吐かせたけど、あの怯え方は大きな力に口止めされてるようだった。

遺体が発見されてないこと、目撃者や証言者が極端に少ないこと、お前が聞き回っても誰も何も教えなかったこと、いろいろ含めて考えると、大きな権力をもつ組織が絡んでることは間違いないだろう。

まぁお前も予想してるだろうけど、俺の予想は暴力団だ。

莉愛はナンバーワンだったから、バックについてる暴力団と接する機会もあったと考えられる。

暴力団に命を狙われたら終わりだ。

逃げられない。

失踪する前、様子がおかしかったって証言もある。

おそらく、殺されるかもしれないと思って精神的にツラかったんだろう」
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