世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「もういいか?風呂入ってくる」


「待って。あと1つだけ…」


唯さんの話は聞いても教えてくれないだろう。


だったら別の角度から…。


「浅香さんが言ってた。〝俺の復讐は終わってない〟って。それ、どういう意味?」


あの時、ものすごい憎悪を感じた。


ヤクザ同士の抗争よりも根深い何かを…。


「まぁ、そりゃ炫聖会を潰すためにいろいろやってるから、それの恨みだろ」


「唯さんが絡んでるんじゃないの?」


「何が言いたい」


唯さんは深景さんに裏切られて別れた。


深景さんがしたことが事実なら、浅香さんが恨んでたっておかしくはない。


「……あんな別れ方したんだもん。そりゃ恨むよ」


「…そうだな。恨まれて当然かもな」


あたしに同意する深景さんの表情は変わらなかった。


唯さんの話は事実だったのか…。


考えれば考えるほど分からなくなる。


何が本当で何が嘘なのか。


深景さんが唯さんを庇ってることは事実だろう。


でも、いったいなぜ?
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