世界が終わるとき、そこに愛はありますか
〝もしもーし〟


〝あー、アイツの妹?〟


〝バラバラになって海の底か山の中かにいるんじゃねぇの?〟


〝殺した〟


〝まっ、そういうことだから、お前の大切なお姉ちゃんはもう二度と帰ってこないよ〟


〝ねぇちょっと。相手はまだ小学生だよ?〟


〝いーんだよ。死んだ人間の帰りをいつまでも待ち続けるよりマシだろ〟


蘇る悪魔の声。


電話越しのあの声は…唯さんのようにも聞こえる。


でも、確証はない。


「…許せない」


あの男も、あの女も、許せない。


この手で復讐してやる─絶対に──。


「……ごめん深景さん」


ププッププッ…プルルルル……


『もしもーし。急にどした?』


「…誰にも見つからない場所で、会えないかな」
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