世界が終わるとき、そこに愛はありますか
『…俺の知ってる深景は、大切な存在を裏切ったりしない』


「それって、唯さんのこと?深景さんの大切な人はあたしじゃない。唯さんを守るためならあたしを裏切る」


『そんなこと─』


「初めて会った日、涼言ったよね?〝深景が雪花ちゃんを守るとは思えない〟って。あたしもそう思う。唯さんとあたし、天秤にかけたとき、守るのは唯さんだよ」


近くにいて、同じベッドで寝るからこそ分かる。


深景さんは本当に唯さんのことが好きなんだ。


寝言で〝唯〟って言ってるのだって、数えきれないくらい聞いた。


「…さっきあたしの疑いが唯さんに向いた瞬間、明らかに態度が変わった。あんなのおかしいよ。尋ねても何も教えてくれなかった。そんな人を信じて待てっていうの?」
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