世界が終わるとき、そこに愛はありますか
─ガチャ…


鍵を開け、玄関に入ると、誰の靴もなかった。


なのに、扉の向こうのリビングからは光が漏れている。


「誰……?深景さん…?」


恐る恐るリビングに近づくと、聞きたくない声が聞こえてきてしまった。


─女の喘ぎ声。


それも1人じゃない。


複数人。


「あっれぇ~、まだ他にも女の子呼んでんのぉ?」


女の声が近くなり、バンッと勢いよく扉が開いた。


中は予想した通り。


同居人がいる家で乱交パーティか。


「誰このオンナ。初めて見る顔だけど」


「しかもブス。ねー、深景、なんでこんな子呼ぶのぉ?」


酔ってる深景さんはあたしに気づいてないみたいだ。


「いーじゃん、来ちゃったもんはしょうがないし。お前も参加する?」


焦点が合ってないし、呂律も回ってない。
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