世界が終わるとき、そこに愛はありますか
**
どうやって外に出たのかも分からない。
気がつけば近所の公園にいた。
緑がたくさんあって広々したこの公園も、真冬の夜中は殺風景だ。
ふわふわした雪が、冷たい強風にさらされて暴れまわっている。
「寒い…」
小学生の頃、お姉ちゃんに貰ったこのマフラーはボロボロで暖かくない。
手袋は、喧嘩する前、今年の冬は寒いからって深景さんがくれたもの。
コートはお姉ちゃんのおさがり。
どれもこれも冷たくて寒い。
嗚咽と共に吐き出る息は白い。
遠くの方では街のイルミネーションが微かに見える。
女たちを玩んでた深景さんは楽しそうだった。
あたしといるときよりもずっとずっと…。